電子ピアノのタッチについて その3
- 2007.02.14 Wednesday
- 03:05
「重い」「標準」「軽い」「固定」の4種類というのが一般的で
高額機種になるともっと細かい設定ができる機種もあります。
これらのボタンを押してタッチを調整しても
実際に鍵盤の重さが変わるわけではありません。
人間の耳の錯覚を利用して、重さが変わったように感じさせる機能です。
「軽い」ではセンサーが敏感になり、鍵盤のわずかな沈み込みで音の表情が変わり軽くなったように感じます。
逆に「重い」ではセンサーの感度が鈍重になるので発音のタイミングが遅くなり
速く強く鍵盤を弾いても大きな音が出にくくなります。
「標準」はその中間。
「固定」はピアノではなくオルガンやハープシコード等、強弱変化の乏しい楽器のときに使うのが普通です。
少し前ですが、あるメーカーの機種でモデルチェンジがあり
市場で「前機種よりもタッチが重くなって良くなった」と評価されたケースがあります。
カタログスペックでは音源も鍵盤ユニットも前機種と同一なのに?と思ったら
実は、発音のタイミングを遅らせただけということでした。
簡単に言うと、センサーの感度を少し鈍らせたのですね。
発音のタイミング、たったこれだけで人の感覚はごまかせます。
ピアノの先生によっては、電子ピアノはタッチが軽いから
「重い」設定にしてね、とおっしゃる先生もいるようですが
「重い」の設定は先に述べたように表現幅も狭めます。
音色変化の乏しい「重い」設定にすると、叩くように弾いてもきれいな音に聴こえます。
無駄に力を入れて弾くようになり、自分の出す音に無頓着になるおそれがあります。
言うまでもありませんが生ピアノでは表現の幅に段階はなく、無限です。
わたしは基礎を身につける時期には自分の音を聴くことがとても重要だと考えています。
「軽い」にして音色が微細に変化する設定にし、
注意深く耳を傾けながら演奏する方がピアノの練習らしく、効果的なのではないかと思います。
タッチについては以上です。
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次は音や機能について、それから楽器を買うことの意味などについて書く予定です。
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