仙台出張。

  • 2007.02.24 Saturday
  • 02:22
販売仕事で出張してきました。
この仕事をしているといろいろな土地に行けてとても楽しい。

帰りに「ずんだうさぎ」買ってきました。
ネーミングにひかれて買ったんですけど(うさぎ好き)
しろいぎゅうひの中にずんだとクリームチーズが入っていて
白と緑のコントラストがたいそうきれいで、味もなかなかでした。


ところできのう新発売になった電子ピアノがあるんですが
これがものっすごくイイ!です。

この12年間に発売されたすべてのメーカーのすべての電子ピアノに触れていますが
こんなに「弾いていたい」と思えるような電子ピアノって初めてかもしれない。

今回モデルチェンジされたのは機能のあまり付いていないシンプルな単機能ピアノ。
いや、もうその弾きごこちの良さにびっくりしました。
わたしは基本的に単機能電子ピアノを信頼していないので
ふだん生徒さんにもお客さんにも多機能モデルをおすすめするのですが
(理由を細かく書いていたらすごーく長くなってしまったので(汗)
 後日あらためて別記事でアップします)
自分の中でのおすすめ機種の順位が入れ替わりました。
いいです。あれ。とてもよい。

否定的な物言いをされることが多い電子ピアノですが
わたしとしては、
ピアノのような再現の難しい楽器をよくもまあここまで作れるもんだなと思う気持ちの方が大きい。
ピアノを弾いてるとその難しさはよぉくわかるので
新しい電子ピアノが発売されるたびに、それを作っているひとの労苦を推し量っては
敬意をおぼえるのです。純粋にすごいなって思います。
電子ピアノのメーカーのその情熱と技術力に心底敬服です。

--

しかしほんとにあれ、よくできてたなあ。
見事なまでの完成度の新製品が出てきたなと思いました。

電子ピアノのタッチについて その3

  • 2007.02.14 Wednesday
  • 03:05
電子ピアノではほぼすべての機種でキータッチの調整ができます。

「重い」「標準」「軽い」「固定」の4種類というのが一般的で
高額機種になるともっと細かい設定ができる機種もあります。

これらのボタンを押してタッチを調整しても
実際に鍵盤の重さが変わるわけではありません。
人間の耳の錯覚を利用して、重さが変わったように感じさせる機能です。

「軽い」ではセンサーが敏感になり、鍵盤のわずかな沈み込みで音の表情が変わり軽くなったように感じます。
逆に「重い」ではセンサーの感度が鈍重になるので発音のタイミングが遅くなり
速く強く鍵盤を弾いても大きな音が出にくくなります。
「標準」はその中間。
「固定」はピアノではなくオルガンやハープシコード等、強弱変化の乏しい楽器のときに使うのが普通です。


少し前ですが、あるメーカーの機種でモデルチェンジがあり
市場で「前機種よりもタッチが重くなって良くなった」と評価されたケースがあります。

カタログスペックでは音源も鍵盤ユニットも前機種と同一なのに?と思ったら
実は、発音のタイミングを遅らせただけということでした。
簡単に言うと、センサーの感度を少し鈍らせたのですね。
発音のタイミング、たったこれだけで人の感覚はごまかせます。


ピアノの先生によっては、電子ピアノはタッチが軽いから
「重い」設定にしてね、とおっしゃる先生もいるようですが
「重い」の設定は先に述べたように表現幅も狭めます。
音色変化の乏しい「重い」設定にすると、叩くように弾いてもきれいな音に聴こえます。
無駄に力を入れて弾くようになり、自分の出す音に無頓着になるおそれがあります。

言うまでもありませんが生ピアノでは表現の幅に段階はなく、無限です。
わたしは基礎を身につける時期には自分の音を聴くことがとても重要だと考えています。
「軽い」にして音色が微細に変化する設定にし、
注意深く耳を傾けながら演奏する方がピアノの練習らしく、効果的なのではないかと思います。


タッチについては以上です。

--

次は音や機能について、それから楽器を買うことの意味などについて書く予定です。

電子ピアノのタッチについて その2

  • 2007.02.14 Wednesday
  • 02:02
その1で、
電子ピアノを使う生徒の手がふにゃふにゃなのは
鍵盤の物理的な重さのせいではないと書きましたが
そのことについて書いていきます。

ピアノは、脱力して音を出すことがとても重要とされます。
肩や腕、手や指が緊張した状態ではいい音が出せません。
肩先から力が抜け切った状態で出る音は
とても抜けがよく、よく通り、よく響きます。
ピアニストは、フォルティシモの音が欲しいとき力を入れるのではなく、
逆に力を抜くことで、力強く温かみのあるフォルティシモの音を得るのです。
グランドピアノには長い弦が張ってありますが、
あの弦の遠くまで、音の波がゆきわたるようなイメージです。


電子ピアノの鍵盤ユニットはピアノの鍵盤をごくごく簡素化したもので
もちろん弦は張ってありません。
鍵盤の下部に2点ないし3点のセンサーがあり、
点の間の速度を計算して発音します。

たとえば、2点間の打鍵のスピードが遅ければ
"鍵盤がゆっくり沈む=小さい音"として認識・発音、
打鍵スピードが速ければ"鍵盤がはやく沈む=大きな音"として発音されます。

打鍵のスピード、またはセンサーの感度によって
幾種類もの発音パターンが算出され発音されるわけですが
あくまで出音を決めるのは点間のスピードのみ。
生ピアノでは、指のどの部分で弾くか、どの角度で弾くか、によって
本当に微細に音が変わりますが、電子ピアノではそこまでの再現はできません。

生ピアノでは脱力して発音すると
鍵盤の底についたときの衝撃も音にして瞬時に逃がすことができるのですが
(言葉での表現が難しいところですね・・・)

電子ピアノでは、生ピアノのように脱力して弾いても
抜けの感覚が音として伝わってこないため
ゴツッとした底衝きの衝撃のみが指先に残ります。
(単純に"大きな音"が出ます)


ショパンコンクールで入賞したピアニストが電子ピアノで演奏するシーンを見聴きする機会があったのですが
"美しい電子音"とともに聴こえてきたのは、ゴツゴツいうアタックノイズでした。
比較的大きめのホールでしたが、けっこう激しくノイズが響いており
「ゆび痛そう・・・」とわたしはそればかり気になってしまいました。

自分自身、コンクール前どうしても電子ピアノでしか練習ができず
指を痛めてしまった経験がありますし(病院に通って本番前にはどうにか治しました)、
友人のピアニストやピアノ教師仲間でも電子ピアノを1〜2時間弾いただけで指が痛くなったという人がいます。
脱力ができていればいるほど指を痛めてしまう結果になることがわかります。

それ以来、自分は電子ピアノを弾くときは
少しの力で音が出るようにキータッチを「軽い」に設定し
余分な力を入れないようにして弾いています。

--

少し話がそれてしまいましたが

家での練習楽器が電子ピアノの子どもは
練習すればするほど電子ピアノ向きに最適化された弾き方になってしまいます。

つまり、底衝きの衝撃を避けるための
反射的なこわごわとした弾き方が身についてしまうのです。

多くの子どもを長期に渡って見ていますが
電子ピアノを使っている生徒の手がふにゃふにゃなのは
鍵盤が軽いせいではなく
衝撃を避けようとする反射神経によるものだと考えています。

実際、生ピアノの2倍近い初荷重のかなり重いタッチの電子ピアノを使っている生徒でも
"ふにゃふにゃ"はなかなか直りません。
重いタッチの鍵盤では指を衝撃からかばおうとする自然な反射が働き
かえって筋力はつきません。

電子ピアノでは、鍵盤の重さよりも、演奏感・弾き心地が重要なような気がします。

--

その3では「キータッチ調整機能」について書きます。

電子ピアノのタッチについて その1

  • 2007.02.13 Tuesday
  • 23:07
ネット上では短期的な視点による製品レビューが多く
しかもそれらのレビューは、概して大人によるものです。

発育途上にある子どもの最初の楽器として選ばれる電子ピアノが
その子の音楽的成長にもたらす影響にまで触れているページは少ないです。

ここでは
10数年にわたり販売の現場にいる人間として、
現役のピアノ教師として、
知ることができることのいくつかを書いていきたいと思います。

--

指導者は生徒の楽器を把握するのは当然のこと、
メーカーや機種ごとの特性を理解し、その楽器に合った指導をする必要があります。

ピアノの先生は一般には電子楽器に詳しくない場合が多いため
生徒に対して十分なアドバイスを行われている方は少ないようです。
そう感じることの原因がこの一言。

「いちばんタッチの重い電子ピアノをください」

店頭で必ずといって良いくらい出会う言葉ですが、
わたしの持論は逆です。

第一印象でタッチが重いと感じる電子ピアノはむしろ避けるように伝えます。


現在の電子ピアノの鍵盤初荷重(指をのせてから音が出るまでの力)は
ほとんどのメーカーの製品で生ピアノの初荷重とほぼ同じになっています。
「物理的には」生ピアノと変わりないことになります。

その中でもとくに重いものという選び方をすると
実際にはピアノとかけ離れた重さのものを選んでしまうことになります。

鍵盤タッチを重くするのは技術的には容易なことです。
バネや重いおもりなど反発力を大きくすればよいだけの話ですから。
残念なことに、そうした小手先の重さをつけたピアノが実際にはよく選ばれてしまっています。

しかし、
鍵盤の重さと引き換えに犠牲になるのは、演奏上最も大切な表現力です。


ピアノの先生の間でも「重いタッチのものがいい電子ピアノ」と思われる風潮があり
それを鵜呑みにしてこられる生徒さん(とそのご家族)は多いです。

"軽い鍵盤=手の筋力が育たない"という図式はたしかにイメージとしては結びやすいと思いますが
鍵盤タッチの物理的な重さは、電子ピアノの場合には、ですが
手指の筋力には直接にはあまり作用しません。
電子ピアノで練習する子どもの指がふにゃふにゃな理由には
「その2」で触れています。

さて、
すでにピアノを弾くための身体が出来上がっている大人は別として
子どもが生ピアノ以上に重い鍵盤の電子ピアノを毎日弾くとどうなるか。

自分の経験では、"タッチが重い"と言われる電子ピアノを使っている生徒は

・脱力ができない。
自分の音を聴かない・または聴けない。
力で弾こうとするため弾きグセがつきやすい。
・スタッカートが重い。

という傾向があります。

一度ついてしまった癖は直しがたく
レッスンの最初はピアノの鍵盤に慣らすために費やさねばならないため
貴重な時間のロスにもなります。
教室で直っても家で練習すればまたもと通りになるので
この繰り返しに陥ってしまいます。

これに対し、
タッチに不自然な重さのない電子ピアノを使用する生徒は
自分の音を聴きながらタッチを加減し演奏するというピアノ本来の奏法が身に付きやすいです。
普段から自分の出す音をていねいに聴く習慣ができるので
教室のピアノでも発表会の会場のピアノでも
楽器を選ばず美しい音で演奏できるようになります。


電子ピアノのタッチを軽いと感じるのは
センサーの感度などの「聴こえの感覚」によるものです。
この感度はほとんどの電子ピアノで調整可能です。
(タッチセンス・タッチレスポンス・キータッチなどの言葉で呼ばれます)

今では自分の生徒には必ず楽器購入前に相談するように伝えてありますが
入会前に"タッチの重い"電子ピアノを購入してしまった生徒には
キータッチを「軽い」に設定して練習するように言っています。
こうするだけで、ずいぶん自分の出す音に耳を傾けるようになります。
重いタッチの電子ピアノを買ってしまった方は試してみてください。


手の筋力ももちろん大事ですが、それ以前に音楽で重要なのはです。
どうか小手先だけの重さに惑わされず
楽器として自然な鳴り方のする楽器を選んでください。

--

今後は電子ピアノのタッチについてさらに詳しく、
それから音や機能について書いていく予定です。

このページのこと。

  • 2007.02.13 Tuesday
  • 18:40
ブックマークされてる方で気づいた方いるでしょうか。
タイトルというか、教室名がマイナーチェンジしてます。

最初このページを開設したときには取り急ぎ、暫定的にと思って
自分の好きなものの名前をつけたのですが(「しまりす」・・・。)
教室名としてあんまりアレかなと思って変えてみました。

「リス」はどこかに入れたいと思っていて考えたのが今の名前。
listen(聴く) + note(音・音符)を足したものです。
表記についてはまだ考え中。
りすのおと?リスノオト?リスノート?りすのーと?


あとはこのページも見やすくしないと!
階層がわかりにくいというご意見。
ごもっとも!わたしも同じこと思ってました(笑)。

日記だけブログにしてあとはHPスタイルにしようかな?
現在ブログの形態を借りていますが、この形態では限界があるみたいです。


「指導者について」「楽器の購入について」新記事書きました。
新着記事もこうして書かないと分からないですね。


あ!あと新たに加わったリンク先のトリ音(とりね)先生はわたしのテルミンの先生、
「エタンセル」は通っているフランス語教室です。

習い事が多く、じつはこのほか南浦和のおと工房にて
「ヴォイシング+ジャズ理論」も習ってます。

指導法の講座にも通っているので
わたしの仕事以外の時間は、ほぼ習い事に費やされていることになります(^^;

学ぶの楽しい!
新しいことを知るのがシアワセです!

楽器の購入について

  • 2007.02.13 Tuesday
  • 18:13

 [ はじめに ]

ピアノの接客・販売の仕事に携わり10年以上になります。
このカテゴリでは生ピアノと電子ピアノの違いや選び方について書いていきます。

最初に明言しますが
これからピアノ教室に通う、またはすでに通っていて楽器の購入を考えているのでしたら
生ピアノにしてください。

電子ピアノは構造も発音メカニズムもピアノとはまったく別のものです。
ピアノ調律師で有名な村上輝久さんは
「現在電子ピアノと呼ばれているものはキーボードと呼び、
 ピアノとははっきりと区別すべきものだ」と音楽雑誌の記事で書いておられました。

あるピアノ教育家の方はご自身の著作の中で
筆ペンで書道教室に通っても上手にならないのと一緒だとおっしゃっておられます。

わたしの基本的なスタンスも同じです。
電子ピアノでピアノレッスンを続けるのには限界があります。

電子ピアノを選ばれる家庭でみられるのが
ほんの子どものものだし、
いつまで続けるかわからないのに高価なものは買えない、などの意見です。
(置き場所や重量についての不安はここでは割愛し、別の記事で書きます)

逆です。

子どもだからこそ、可能性・将来性は無限なのです。
楽器の限界が子どもの限界を決めてしまうのは本当に残念なことです。

楽器の性能そのものの問題だけではなく
「道具を揃える」というのはお稽古事をする心構えとして、とても重要なことです。
可能な限り最高の楽器を与えてあげてください。
よりよいレッスン環境を一緒に作り上げて行きたいと思っています。

--

このカテゴリでは電子ピアノの選び方にも細かく触れますが
決して電子ピアノをすすめるものではありません。
やむを得ず電子ピアノでなければならない場合のみ参考にしてください。

なおピアノ経験のある大人の方で、ご趣味で再開されるということでしたら
電子ピアノはデメリットばかりではありません。

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